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The Three-Cornered World

ある学校の願書に落とし込む内容で「草枕」を取り上げることになり、改めてこの英訳本を読むことになりました。(どんな内容になるのやら)。「草枕」はアラン・ターニー氏と言う方が翻訳しています。で、英訳版のタイトルは、「The Three-Cornered World」となっています。

この草枕で有名な逸話。

あのJ.S.バッハの新解釈で有名なカナダ人ピアニスト、グレン・グールド(1932-1982)はこの「草枕」を愛読し、常に持ち歩くために自分専用の編集版まで作成し、20世紀最高の作品だと称えていました。後にグールドは脳卒中で亡くなってしまうのですが、生きた最後の夜に読んだものが「草枕」だったと言うことです。ベッドの枕元に、聖書と共に置いてあったと……。

私も夏目漱石の作品の中では、この作品がそれはもう大好きです。特に「情に棹させば流される」で始まる冒頭は有名ですが、それが英語になるとどうなるでしょうか?まずは日本語の美しさをご堪能くださいませ。

【原文】

 山路を登りながら、こう考えた。
 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
 住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。
 人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。
 越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容て、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。


さて、次は英文。

【英訳版】

 Going up a mountain track I fell to thinking. Approach everything rationally, and you become harsh. Pole along in the stream of emotions, and you will be swept away by the current. Give free rein to your desires, and you become uncomfortable confined.

 When the unpleasantness increases, you want to draw yourself up to some place where life is easier. It is just at that point when you first realize that life will be no more agreeable no matter what heights you may attain, that a poem may be given birth, or a picture created.

 The creation of this world is the work of neither God nor devil, but of the ordinary people around us; those who live opposite, and those next door, drifting here and there about their daily business. You may think this world created by ordinary people a horrible place in which to live, but where else is there? Even if there is somewhere else to go, it can only be a “non-human” realm, and who knows but that such a world may not be even more hateful than this?

 There is no escape from this world. If, therefore, you find life hard, there is nothing to be done but settle yourself as comfortably as you can during the unpleasant times, although you may succeed in this for short periods, and thus make life’s brief span bearable. It is here that the vocation of the artist comes into being, and here that the painter receives his divine commission. Thank heaven for all those who in devious ways by their art, bring tranquility to the world, and enrich men’s hearts.


翻訳者、ター二ー氏のすごいところは漱石のあの流れるような文章の「間」や「音」まで英語に翻訳してしまったところなのだそうです。ネイティブであればこの英文にリズムがあることが分かり、これが「美しい」英文に聞こえるのだそうです。私にはそれが分からず、意味しか取れないことが非常に残念。英語の文法や語彙を理解することはできても、これからもそのニュアンスや響きを感じることはできないんだろうなぁと思います。
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.31 2011 その他受験事項を語る comment0 trackback0
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プロフィール

siono

Author:siono
欧州あたりのMBA志望生。アラウンド・サーティ、女性、文系で留学経験ナシ。英語はIELTSでやる予定です。現在GMAT580、IELTS6.0。

好きな物:酒全般、和食、日本の洋食、中華、文章書くこと、美術鑑賞、映画、漫画、ミスチル、クラシック
興味分野:日本史、欧州史、東アジア史、日本文学、営業、宝石学、政治、経済、やる夫&やらない夫(ry

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